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常連客だからこそ気温に敏感
令和5年の9月は夏の暑さが収まりません。と言っている間に急に冷える日が訪れます。となれば、つい先日までクールビズでシャツ姿だったビジネスマンも皆ジャケット姿に早変わりです。 夏の暑い盛りには会社帰りにジョッキでビールという方も、気温とともに熱燗にシフトしていることでしょうか。 もちろんですが、お酒の種類が変われば一緒に食べる料理の種類も変わってきます。 なにより秋から冬にかけて食材が豊富になり料理のバリエーションが増えるタイミング。今日は酒の肴に何を食べようか考えながらお店に行く楽しみが増える季節です。飲食店は季節のトレンドをどのように知るのか
季節を巡る気温の変化が人間の体にどのように作用するのかを知ることで、人がその季節、温度でどのようなものを欲するのか生理的な部分を知り、メニュー作りに入ってゆきたいと思います。①気温と飲み物の関係
気温と飲み物の関係を調査したアンケート。 これはお酒ではなく「コーヒー」を使っての調査ですが興味深い結果が出ています。 まずコーヒーを飲む人の中からアイスコーヒーとホットコーヒーの両方を飲む方に対し、気温が何度だったらどちらを飲むのか聞いたところ、アイスとホットの境目は「22.5℃」という結果がでたのです。 意外と高いと見るか意外と低いと見るかこちらも意見が分かれるところです。 この関係をもう一歩進めた調査報告でも、気温の変化で好まれる食品を調べたものなのですがこちらも興味深い内容となってい 飲み物と温度に関する調査/ネットリサーチDIMSDRIVEの公開アンケート調査結果http://www.dims.ne.jp/timelyresearch/2009/091110/ 「猛暑」が当地の個人消費に与える影響 – 日本銀行シーズン到来!全国の鍋料理を徹底分析~県別・男女別サーベイも~
②基礎代謝と食べ物の関係
人は生理的欲求から気温に応じた食べ物や飲み物を選びます。たとえば真夏にはアイスクリームやかき氷が食べたくなったり真冬には鍋料理が食べたくなるように。 このような現象を捉え気温が上がる季節に食べたくなる食品を「昇温商品」と呼び、逆に気温が下がる局面で食べたくなる食品を「降温商品」と呼びます。 直感的には理解できるのですが、いったいどのようなメカニズムなのでしょうか。 その答えは人間が活動する際に消費するかローリーと密接な関係にあります。 気温が上昇する局面で人の基礎代謝は降下し、逆に気温が降下する局面で基礎代謝は上昇するということが定説となっています。 そのせいで気温が上がる時に人はカロリーの低そうなものを選びます。逆に気温が下がる時にはカロリーの高そうなものを選ぶ傾向にあるのです。たしかに夏のかき氷は低カロリーですし、冬の鍋料理は高カロリーです。③昇温商品と降温商品とはいかなるメニューか
それぞれどのような食品が含まれているのかチェックしてみましょう。まずはご飯ものから。- ご飯類:<昇温>カレーライスや巻き寿司・<降温>天丼、ソースカツ丼
- 麺 類:<昇温>冷やし中華、明太子スパゲティ・<降温>鍋焼きうどん、ミートソーススパゲティ
- 飲み物:<昇温>ビール、白ワイン・<降温>日本酒、赤ワイン
- 昇温商品 = 8月 ~ 9月
- 降温商品 = 2月
気温と湿度をの変化を捉えたメニューとは
今回、気温が上がる季節と下がる季節で、人が求める食事に違いがあることがわかり、加えて飽きる時期が来ることも知りました。 ではこれをどの様に飲食店のメニューにいかすべきでしょうか。考えてみます。 季節でメニューを変える方法もありますが、せっかく売れている看板メニューやいつもコンスタントにオーダーの入る定番メニューはそのままにしておきたいものです。 ここは、「ABC分析」を使って売れ行きの良くないメニューと入れ替えるのが一番間違いのない方法です。大手飲食店が活用する「abc分析」で小型店舗も利益が出る!【業界人語る】もうひとつの方法としては、本日のオススメメニューや今月のオススメメニューとしてレギュラーなメニューをいじることなく限定メニューとして目の付きやすい場所に出したり、別紙で見せるメニューというのもスマートで効果的です。
①湿度でメニュー変更を検討する
湿度の高い雨の日でも、夏の雨と冬の雨では全然内容が異なり、湿気の多い暑さと凍える寒さではまるっきり食べる好みが変化するからです。 例えば、どの季節でも食べられているサラダひとつとっても、夏は海藻や豆腐を使った口当たりのいいサラダが好まれるのに対し、冬ではポテトやコーンといったマヨネーズ系のサラダの注文が増えるというように好みが別れます。 飲食店側は温度や雨などによるお客様の好みの変化を感じ取ってメニューの変更、追加をすべきなのです。②8月におでんが売れる理由が物語る
冒頭でコーヒーの話をしましたが、最近ではおでんが季節外れに売れると話題になりました。本来は外気が18℃を下回るころから売れ始めるのが一般的だったようですが、空調のよく効いたオフィスビルで働く人にとっては、真夏こそ体が冷える時期だったのです。 先程の公式になぞらえるなら、冷えた体は降温商品を求めることになります。つまりおでんが真夏に売れるということになるのです。そんなニーズをいち早く嗅ぎ取ったコンビニエンスストアは8月からおでんを売り始めています。③令和3年のトレンドを考える
気温や天気に関係ありませんが、ちょっと違う視点から繁盛店にするヒントをひとつ。 この冬のトレンドを飲食店関係者にいろいろと伺ってみたところ、これまでのタレにつけて具材を食べる鍋から、ポン酢や鳥スープなどが効いただし汁の中で煮込んだ鍋に加え、定番のご当地鍋が主流になるとのことです。 勿論まだまだインスタ映えが受けているようですから、盛り付けも大切です。それ以外にも、キムチや納豆、チーズといった発酵素材を具材にした鍋や辛さを極めた韓国鍋も引き続きトレンドとしてあがっています。 盛り付けひとつでずいぶんと見映えが変わりますが、構成する素材の色合いも考慮して盛りつけることも大事ですが、ネーミングに拘るのもここ数年のトレンドです。~まとめ~
気温と天気予報はインターネットを使えば気軽に調べられます。- メニューを決める時は気温を気にしてみる
- 明日・明後日の仕入れは週間天気予報で予測する
- 季節を先取りしてメニューを考える
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