
- 店舗と同じ建物に住む大家さんからのクレーム
- 近隣住民からのクレーム
- 所轄の警察署からの指導

Contents
飲食店テナントの営業時間に対する大家さんの悩み
冒頭に上げた3つのパターン、そもそもこの事態が起きる原因はどこにあったのかを考えると次のように整理できます。- 賃貸借契約時に事業計画書などで深夜の営業について事前確認はしていたか
- 賃貸借契約書や使用細則等で営業時間の規程をしていたか
それって違法?いまさら聞けない飲食店「風営法」(2016年6月施行)の要点
飲食店テナントが契約で定めた営業時間を守らない時は
賃貸借契約開始前に営業時間を定めなかったケースとは別に、契約書、使用細則等で予め営業時間を定めてあるにも拘わらずテナントが深夜営業を続ける場合はどの様に対処すべきでしょうか。 この場合、最悪契約解除、立退き明渡しを迫ることもできますので手順を踏んで対処する必要があります。- 口頭での注意
- 書面による注意
- 警告書の発送
- 内容証明郵便での立退き勧告
- 立退き明渡し訴訟
営業時間を守らないテナントの心理とは
2つの理由が考えられます。一つは飲食店を営業している時間が長ければ長いほど売上が上がる状況では早い時間になかなか閉店しづらいというケースと、逆に思うように売上が伸びない為少しでも長く営業することで売上を伸ばしたいという理由です。 つまり営業時間の短縮は死活問題になりかねない飲食店だからこそ違反が起きているといえます。さてこの場合過去に扱ったケースでは以下のような折衷案で解決されたことがありましたのでご紹介します。 営業時間終了時以降新規のお客様の来店を禁ずる代わりに、先に入店されたお客様には多少の延長を認めるというもの。 深夜0時を過ぎたころから、酒中心のメニューから食事をメインにしたメニューに変更する。 なぜメニューを変更することで大家さんや管理会社の承諾がとれたのか次のチャプターで解説致します。飲食店 人気のスナック居抜き物件で失敗しない方法~売却時までも~
深夜酒類提供飲食店営業届とは
まず、牛丼店やラーメン店など食事が中心でサイドメニューとしてお酒を出す場合は基本朝まで営業しても何の問題もありません。また、食事中心であれば深夜店内や軒先で騒がしくなることが少なくなります。逆にバーなどお酒を中心に朝まで営業する場合は届け出が必要となります。それが深夜酒類提供飲食店営業届と言われるものです。所轄の警察署にこの届出をしていないと深夜の営業は出来ないことになっています。つまり無許可営業です。もし、契約書に書いてある営業時間を無視して、尚且つ無許可で深夜営業をしていたとするならば明らかに信義誠実の精神に違反しています。契約解除も含め大家さんは強い態度で臨むべきです。営業時間を定めるメリットとは
あらためて契約書に営業時間を定めるメリットについて確認します。もし契約前に深夜営業できない物件だと知っていたとしたらそこで費用をかけて飲食店を開店するでしょうか。答えはNOです。 逆にこの規定がないばかりに深夜営業が大家さんにバレないだろうと思うからこそトラブルに発展するのです。更に言えば、深夜営業を希望する場合は予め貸主の許可を得ること、所轄の警察署への届け出をすることを義務付けておけば完璧です。これを踏み越えてくるテナントはまずいません。 また飲食店として手持ちの不動産を貸す場合は、必ず不動産会社の仲介をしてもらうといいでしょう。これは、賃貸借契約の際に、仲介会社がテナントに対し、「重要事項の説明」といって、借主に不利になりそうな契約条項をまとめた書類を別途交付し説明をするからです。この説明事項に営業時間を含めてもらえば、後で聞いてなかったという言い訳はできないことになります。~まとめ~
何よりも入口が肝心である事はお分かり頂けたと思います。まず契約書にハッキリと規定することが営業時間を遵守してもらうことが第一歩です。それでもテナントが営業時間を守らず苦情や不具合が出る場合は粛々と解決にあたらなければなりません。 ここは馴染みの弁護士と連携しながらすすめるのがいいでしょう。その上で管理会社を窓口に事を進めることが解決の近道です。間違っても感情的にならないよう気を付けましょう。冷静に対処しなければ上げ足を取られる結果になりかねません。実際に、営業中に大家さんが怒鳴り込んでこられて、テナントから営業妨害を受けたと主張されたことがありました。 この営業時間の問題、テナント次第では一筋縄で解決しない問題であることをお忘れなきようお願い致します。【取引現場から】飲食店居抜き物件「バー/ BAR 」売る時買う時の注意点