
居抜き店舗とは?飲食店の「居抜き」について意味をまとめました【業界人が語る】
Contents
まず、飲食店開業の動機を整理
なぜ飲食店を始めようと思ったか、ここが重要です。 日本ではまだなじみのない料理の素晴らしさを伝えたい!でもいいですし、震災で被災した街の特産品を使うことで、応援と社会貢献の両方が同時に出来る!というものでも結構です。 飲食店経営が単なる生活の手段というのではなく、何かを表現をするためのツールととらえたり、自己実現のための手段としてどのようにしてゆきたいのかをまず自分に問うことが大切です。 この部分があいまいだと、飲食店としての特徴が失われたり、お店がうまくゆかない時期に踏ん張りがききません。 新しいメニューや模様替えをする時でも自分は何のためにこの飲食店を始めたのかという根っこの部分がハッキリしていればなにも悩むことなく決断できるでしょう。 だからこそ、日本政策金融公庫なども創業時の貸し付けにあたってはこのことを重要視しています。信念や覚悟といったものを見ているのだと思います。飲食店で開業するなら「日本政策金融公庫」からお金を借りよう!
次に事業計画です
大前提が決まれば次は事業計画です。 どんな飲食店を始めるにしても何をいくらで売るのかが無いと始まりません。なかには不動産を探すところから始める方がいらっしゃいますが、順番が違います。 その理由は以下の通りです。 たまたまイメージしていたサイズの手頃な物件に出会ったとしましょう。賃料が少々高かったり、居抜き店舗物件の購入価格が高かったり冷静に考えれば違う決断をするところを、お店を早くオープンしたいという気持ちが強く、気に入ってしまうとアバタもエクボとなって正確な判断が出来なくなります。 その上、不動産会社が直ぐに決断しないと無くなりますよと急かすものですからつい契約をすることになったという方が結構いらっしゃいます。こうなると高い家賃も甘い見通しで何とかなると自分に言い聞かせるのですが、現実はそうあまくありません。 この場合、なにをいくらで売ってどれぐらいの利益が出るのかを考えないうちに、賃料という支払いだけが確定することになります。 人件費や賃料はその飲食店の支払い能力(稼ぐ力)にあった金額でなければ長続きしないことを覚えておいてください。【プロが教える】飲食店舗の「事業計画書」大家さんに選ばれる作り方を大公開!
メニューと仕入れ先の関係を整理
どんなに素晴らしい事業計画でもお客様から支持される料理がなければなりません。 その材料は、特定の場所で採れる食材やブランド品種、特定の部位などお店のコンセプトに合うもので尚且つ安定的で欲を言えば安く手に入れたいものです。 最近は食材の産地をそのまま店名にして繁盛している居酒屋を多く見受けます。このコダワリこそが他の飲食店と差別化を図るうえで重要な部分になります。 食品卸しは大手でもない限り意外と取り扱い品に得意、不得意がハッキリしています。肉に強い卸しがあれば魚介類に強い卸しもあります。最近ではプライベートブランドを手掛ける卸しも増えており、手の込んだ料理も手軽に出来て食品を廃棄するリスクを減らすこともできるようになってきています。 ポイントは仕入れを一社に限定せず数社を上手く使いこなすことで得意な食材はもとより時期によっては、安く手に入るやりかたを工夫することが重要です。 まずは卸各社に見積とお話を伺ってみて下さい。近くて遠い業務用食品卸売業界の実態を大調査!役割・機能・生存戦略のすべて
現実的な売上シミュレーション作成
事業計画、メニューが決まればあとはお店の規模です。既に事業計画内で概ねの席数や売上をシミュレーションしていることと思いますが、一歩進めてほぼ現実に近い形で売上をシミュレーションします。例えば、 「 売上高=客席数×満室稼働率×客席回転率×営業日数 」 を設定する必要があります。ただ一つのパターンだけではありません。 昼と夜、ウイークデイ、土曜日、日曜によって売り上げは異なります。場合によっては金曜日も一枠設ける必要があるかもしれません。 ですから組み合わせで行けば6通りから8通りの売上シミュレーションが必要です。 その際、各曜日、時間帯で必要なアルバイトの人数をあわせて考えれば人件費の計算も簡単に行えます。この時点でやっと家賃にいくら位出せるのかのが分かってきます。飲食店を繁盛させたいなら絶対に「中期売上計画」をつくるべし!
オープンの為の資金計画をつくる
事業の概要と規模がまとまったところで資金計画です。 手元にあるお金、親、親族からの応援金や借金でいくらになるのかがベースとなります。 借入金を検討する前に開業に関わるお金と開業後の運転資金について考えます。 開業に関わるお金とは、- 賃貸借契約に関わるお金
- 内装工事にかかるお金 (居抜き物件であれば内装は手直し程度、厨房機器や食器類は足りないものを揃えればいいので安く済みますが、スケルトンから工事をするとなると1,000万円以上になるケースもあります)
- アルバイトの人件費
- 食材の仕入れ費
いよいよ物件探しのスタート
ここまで来て初めて物件探しです。支払える家賃はおおよそ見当がついていることでしょう。 いくらよい物件だからと言って高い家賃ではお金は残りません。 どうしても高い賃料でやりたいのであれば事業計画そのものを見直してからにしないと早い段階で力(お金)尽きてしまいます。 物件選びのコツを聞かれることがありますがいつも次のようにお答えしています。人通りが多いから店が流行るのではなく、一本通りから入った場所でも宣伝の仕方やメニューに工夫を凝らすことでお客様は足を運んでくれる。表通りに比べ家賃が安く抑えられるのでその分お金は残ります。くれぐれも背伸びをしないことです。
【開業前に読む】飲食店が一等地で必ず失敗するこれだけの理由
~まとめ~
売上計画のなかで重要な位置を占めるのが満室稼働率と回転率だということを開業前に意識できる方は業界経験がある方だと思います。 20名分の席があっても4名テーブル5卓で一人ずつではランチタイムなど人数が稼げません。メニューを増やし過ぎると料理に時間がかかりやはり時間内に対応できるお客様が限られてしまいます。(食材の廃棄率もあがります) お店のレイアウトやテーブルの大きさなど見映えよりも稼働率を上げる工夫が重要です。例えば向かい合うカウンター席より壁に向いたカウンター席の方がお一人女性客の入りやすさが上ります。メニューを絞り込むことで注文の時間短縮、料理時間の短縮など回転率に貢献します。 事業計画はそのあたりをよく検討して作られることをお薦めします。【あなたも繁盛店】居抜き店舗 居抜き物件 飲食店舗 情報を探すには