
- 開業資金と運転資金の区別をハッキリと理解することがスタート
- 開業資金ゼロは可能かの問いに答えます
- 開業に必要な自己資金額とはいくらなのでしょうか
東京信用 保証協会 ( 創業融資 )
Contents
2つの開業資金を正確に理解する
飲食店を開業する際には必ず事業計画書を作成します。 お客様に提供する料理や価格、他店との差別化はどのようにするのかなど具体的に書かれています。更に詳しくみてみると、- 収支予想
- 人件費(お店を何人で切り盛りするか)
- 内装工事費(席数)
- 賃貸借契約
- 客単価と売上(1日当たりどれぐらいの来店を見込むのか)
- 原材料費(仕入れ・食材費)
なぜ物件により大きく差が出るのか
仮に、10坪程の小さな飲食店でスタートすることを決め、料理もご自身で作られるのであればアルバイトも雇わずたった一人で始めることが可能です。そうと決めて開業をするならばお店を始める物件選びで資金需要は大きく変わってきます。 まず、スケルトンの状態で一から工事をするのか、居抜き物件を借りて手直しで始めるのかの選択です。 10坪といえども内装、給排水、空調、椅子、テーブルなど一通りそろえるには800万円前後の資金が最低でもかかります。それに引き換え居抜きの場合100万円前後でそれらを手に入れることが出来ます。クロスや看板のかけ替えなどで仮に100万円つかったとしてもスケルトンの1/4です。ここが居抜き物件に人気が集まる大きな理由です。物件の違いによる開業資金の違いを試算
さて、その他に敷金や礼金、仲介手数料に前払い賃料などで月額賃料の8ヶ月前後の開業資金が必要となります。(物件により異なります)もし賃料が15万円だとすると120万円程になります。(敷金5ヶ月分+各1ヶ月分)- スケルトン開業資金 ・・・ 920万円
- 居抜き開業資金 ・・・ 320万円
開業後の運転資金について重要なポイントとは
スケルトンであれ居抜きであれ、飲食店としての体裁がと整った後は開店後の資金です。調味料にお酒類、日々提供する料理の材料を買うお金が必要です。毎日現金が入るのだから運転資金など必要ないとお考えではないですか。 いかに小さなお店でもカード決済や○○payがあるでしょう。いわゆる売掛金(未収金)です。 逆に仕入れた材料費を翌月払う買掛金(後払い金)なども発生します。こうなると決済のサイクルが複雑になり必要な時に手元資金が枯渇することも出てきます。 また、毎日お客様にご来店頂けるわけではありません。特に開店の祝賀ムードが過ぎ去ったあとは、リピーター客がつくまで、事業計画の半分も来店されないこともザラにあります。 お客様が来られなくても日々賃料や水光熱費、材料の仕入れなど固定費は出て行くことになります。当然利益が出ませんから手元のお金が減ることになります。 このように手元資金が減ることやサイトの違いから、売掛金の入金までに発生するまとまった支払いをカバーする資金が運転資金と呼ばれるものなのです。固定客がつくまでの期間我慢する為の資金と言っても過言ではありません。現金が無くなれば閉店止む無しです。脱サラして【飲食店を開業】失敗しない起業にむけた4つの戦略
飲食店の開業資金借り入れに裏技はない
飲食店を開業する前にお金を貸してくれるのは日本政策金融公庫だけです。その公庫ですら自己資金を最低10%用意するというハードルを設けています。上記の開業資金を借りるとなればスケルトンで92万円、居抜きでも32万円は必要になります。 無責任なWEBサイトに、誰かから一旦お金を借り入れて自分の口座に入金するというやり方が紹介されています。これは大きな勘違いです。 公庫の担当者からは、どこからのお金か必ず聞かれます。誰かから借りたとなれば借用書が必要ですし、タンス預金を入れたのだと主張しても記録がないので概ね信用してもらえません。このような見せ金的なテクニックは通用しないと思ってください。開業資金がゼロでも融資を受けること方法はあります
会社組織にしてご自身が代表、他の人を社員か取締役の共同出資者としてスタートする場合であれば、共同経営者がスポンサーとなってお金を出したとして納得してもらえます。ですから融資は通ります。利益が出てから出資分の株式を買い取ることでご自身100%のお店とすることは可能なのです。
飲食店開業に必要な自己資金額の考え方
開業に向けた自己資金の考え方ですが、低金利のご時世にあって時間をかけて貯金をするよりも可能な範囲で借り入れをして開業されることをお薦めします。 その根拠は、借入であれ自己資金であれスタートしまえば売上に関係無いからです。だから飲食店で開業を決意したならばすぐに融資を得て開業すべきです。 これに対し、借入金が少ない方が失敗した時のことを考えると安心だからという人がいますが、シッカリとした事業計画をたてたのであれば失敗する事よりも成功する為に知恵を絞ることです。 自己資金、借入の関係でいえば、出来る限りこれまで貯めたお金は使わずに借入金だけで開業資金、運転資金を用意されることお薦めします。 もしもという時が来るかもしれませんが貯金とはその時のお守りものようなものと割り切って下さい。 その為に日本政策金融公庫は「7年」もの長きに渡り返済が出来る仕組みを用意してくれているのです。飲食店 廃業・閉店 その後の人生に困らない為に開業時に必ずやっておくべきこととは