
Contents
マンションの管理組合の役割とは
まず、組合組織とは何かを知る必要があります。一般には、組合を構成する人たちがそれぞれに組合の目的に沿った役割を分担し、その役割において責任を果たすことで構成する人たちの共通の利益や目的を達成させるという集団を言います。 例えば、農協と呼ばれる組合組織が各農家の収入を安定させる目的で農作物の一括買い上げと流通販売をになっていることが代表的な組合方式です。 さて、区分所有建物や再開発建物の場合は何を共通の目的とした組合なのでしょうか。- 建物の美化・維持・修繕
- 日常管理
- 修繕費の積み立て
- 修繕計画
- 資金管理
マンションの飲食店と大家さんが大規模修繕で直面するトラブルと解決策
分譲マンションで飲食店に貸す場合の注意
住居で貸す場合は管理組合への確認は必要ないと申し上げました。飲食店の場合は管理組合の許可が必要となるには理由があります。 「管理規約」で住居以外の使用は制限されていることがほとんど この管理規約とは、区分所有建物が出来た際に区分所有者全員が持つルールブック兼取り扱い説明書のようなものです。 この規約でそもそも飲食店の営業が出来ないと定められているケースがあります。飲食店が営業できる場合でも酒類は置いてはならないというケースや営業時間を夜10時までとするケースなど立地や建物のグレードにより千差万別です。 最初から飲食店として所有されている場合でも業種が変わる際にはやはり管理組合に確認する必要があります。 なぜこのように厳しく管理されているのかと言うと、飲食店が入居することで、- 美的観点
- 臭い
- 煙
- 汚れ
区分所有建物で飲食店テナントに確認するリスト
- 業種(軽飲食・重飲食等の別)
- メニュー
- 酒類の扱い
- 営業時間
- 看板デザイン
- ダクトの有無(高さ)
- オープンまで日程
飲食店オーナー 兼 大家さんの為の失敗しない管理会社・不動産会社選び美観の観点と臭い煙の処理で言えば排気ダクトの処理です。壁から外部に直接噴き出す処理かダクトを屋上まで上げて噴き出すのかにより開店に関わる費用が随分と変わってきます。 このあたりの判断次第ではテナントが検討を取りやめることが多くあります。理事会もどのような業種か聞かないと判断がつかないので悩ましいところです。 最後にオープンの時期を聞くのには大きな理由があります。これは飲食店の承認を管理組合や理事会の決定に委ねるとなると理事会や組合の意思決定のタイミングがカギとなるからです。 申請をしても次の理事会まで回答は出せないということはザラにあります。逆に理事会からの質問事項や追加検討案などのキャッチボールをしているうちに1ヶ月や2ヶ月はあっという間に過ぎて行きます。 もしテナントが契約を大家さんと結んで家賃を払いながらこの打合せを始めるとなると無駄な家賃を払うこととなり大きく計画が狂う恐れがあります。契約前にそのあたりのタイムスケジュールの確認と事前協議を組合としておくことをお薦めします。
~まとめ~
分譲マンションの管理組合は自分たちが住まう財産としての建物という想いがあります。それゆえ無下に他の区分所有者の希望を却下することはないように思います。よほどハッキリと飲食店不可と規約に定めがある場合は別ですが。 つまりなんとか知恵を絞って思いをかなえてあげようという互助のドライブがかかります。しかしながら再開発のような区分所有建物の管理組合は、管理を大手デベロッパーの子会社などに委ねるケースが多く規約通りに判断されることがほとんどです。その意味では例外は一切認められずあえなく断念となることでしょう。 大家さんとして区分所有室を賃貸に出される場合は、区分所有の賃貸物件を飲食店で扱ったことのある不動産会社を選びましょう。そうでないと後で話が違うとテナントからクレームを受けることになります。 築年数や分譲会社により管理規約の運用方法や厳しさはまちまちですが、一つ確実に言えることは、管理室におもむき管理規約を見せてもらうことと、理事会へ事前のヒアリングは必ず行うということです。飲食店を区分所有マンションで開店、本当にあった怖い話